最近、よく「ブラック企業」という言葉が使われていて、労働者を使い捨てのものとしか見ていない職場が問題になっています。そのいわゆる「ブラック企業」には業務内容に違法性がある他、職員に長時間労働を強いたり仕事の割に合わない低賃金といった特徴があります。また、そのために職員のストレスも多く、職場での人間関係にも悪影響を及ぼして社内でのいじめやパワハラといった問題にもつながっています。
この「ブラック企業」は営業職や飲食関係、IT関連の職場に多く見られていますが、最近では看護や介護といった仕事でも「ブラック」と言われるようになっています。その理由は一般のブラック企業と同様で、仕事の割に合わない低賃金・長時間労働・職場の人間関係の悪さなどが挙げられますが、中には本当に違法性のあることをしている職場もあるようで深刻な問題になっています。もちろん、そうではない職場も多くあるわけですが、それでも現場で働く看護師には長時間労働や人間関係のトラブルといったストレスと無縁とは言えません。実際に看護師の声を聞いてみると、長時間労働や人間関係といった事に不満が目立ちます。それを見る限り、看護職がブラックと言われても仕方ないようにも思えます。
さらに、看護職の特徴として、ほとんどが女性である事も見逃せません。最近では男性看護師も増えていますが、現在の所全体の約95%を女性が占めています。女性の職場というと、一般にもいろいろとドロドロした内幕があるとの事で知られています。看護師と同様に女性が多くを占める保育士や接客関係の職場では、よくスタッフ間の悪口やいじめ・特有の上下関係などがあると言われていますが、看護師の職場についても同じような話はいくらでも聞くことができます。まだ数は少ないものの、現場に男性看護師を入れることによって状況が改善した例もありますが、それでも女性の職場特有の体質は続いているようです。
このように、労働環境や人間関係でも問題を抱えている看護職にストレスはつきものです。連日の勤務でたまったストレスをうまく発散していければ問題ありませんが、その解消を喫煙で行っている看護師も意外と多いようです。日本看護協会の活動により看護師の喫煙率は低下してきていますが、それでも喫煙する看護師の半数近くが「ストレス解消のため」に吸っていると答えています。本当に煙草でストレスが解消できるかは分かりませんが、手軽に手を出せる方法として選ばれているようです。もちろん、単に健康に悪い、職場の雰囲気が悪くなるという理由もありますが、ストレスをため込んで煙草が手放せない人がいるというのも看護師の職場が荒んでいる現れではないかと思います。