本当は怖い女性の職場?

看護師の仕事の大きな特徴の一つは、そのほとんどが女性という点にあります。現在、正看護師と准看護師を合わせると全国でおよそ150万人ほどの看護師がいますが、そのうち男性の看護師はおよそ5%程度を占めるだけです。今では以前ほど男性の看護師を見ることは珍しくはありませんが、それでも大きな病院に何人かいるという程度です。

看護師に限らず保育士や客室乗務員など、職場の全員が女性またはほとんどが女性という仕事は他にいくつもあります。そういった職場は接客など対人的な仕事が多く、表向きは華やかでソフトな印象があります。しかし、その現場にいる人に聞いてみると、裏では表向きとは違う何やらドロドロした内情があることがわかります。

そういった女性ばかりの職場の内情を尋ねると、よくこんな意見が出てきます。

「表ではいい顔をしていても、裏では誰かの悪口大会をやっている」

「職場にいくつかの派閥があって、お互いにいがみ合っている」

「女上司(またはお局様的立場の人物)に嫌われると職場にいられなくなるので、いつもチヤホヤして気をつかわないといけない」

「年齢が若い、容姿が優れているといったスタッフに対して妬みを感じ、無視や嫌がらせをする」

「特定のグループがいつもいじめのターゲットを探している」

「ベテランスタッフがいじめをやっているので、若手が入ってもすぐに辞めていってしまう」

「何をするにしても全員一緒でないとならず、一人だけ違うことをすると批判される」

聞けば聞くほど恐ろしくなってきますが、もちろん女性の多い職場が全てそういうわけではありません。女性ばかりでも和気あいあいと仕事をしている職場も多いので、これらは少し極端な意見だと思います。しかし、男性ばかりの職場でも特有の内情があるように、女性の多い職場にも特有の内情があるのは確かなようです。

看護師の現場でも職場のスタッフ全員が女性ということも多く、残念ながら上に出てきたような話を聞くことも珍しくありません。病院スタッフにもたくさんの人がいる以上、性格的に合う合わないといったことがあるのは仕方ありません。しかし、本来なら一丸となって患者のケアにあたらなくてはならない看護師が、そんな内部のドロドロで無駄なストレスをため込んでいては話になりません。陰口やいじめが横行する職場は看護師以外の職業にとってもいい職場とは言えず、改善が必要です。看護師の場合、職場に男性看護師が入ることによって人間関係が改善したという例もあり、職場の人員配置でも効果が期待できるようです。ただ、現状では男性看護師は救急など一部の部署に優先的に配置されていて、今後の増員が求められます。